許容応力度等計算
なぜ、木造2階建て住宅では一般的でない構造計算を取り入れるのか?
構造計算とは、建築構造物・土木構造物などが、固定荷重・積載荷重・積雪荷重・風荷重・地震荷重などに対して、構造物がどのように変形し、構造物にどのような応力が発生するのかを計算することです。
一般的な2階建ての木造住宅ではこの構造計算は行われていません。建築確認申請手続きにおいて、「構造計算を省略出来る」という特例措置があるからです。
しかしそれは本当の意味で安心できる建物と言えるのでしょうか?
構造計算(許容応力度計算)とは?
地震や台風の時に建物にかかる水平力の検証に加え、建物の自重や荷重の鉛直力(上から下にかかる力)に対して全ての柱や梁の検証を行い、建物の安全性を確かめる計算方法。
構造計算の計算資料(構造計算書)はA4の用紙で数百枚になります。
構造計算(許容応力度計算)では、まず建物にかかる重さを調べ、次に建物にかかる重さが力としてどう伝わり、その力に耐えられるかを調べます。
ここまでを許容応力度計算(ルート1)と言います。
さらにルート1の計算結果に基づき
- 地震が来たときに、建物がどのくらい傾くのかを計算。(層間変形)
- 台風が来たときに、建物がどのくらい傾くのか計算。(層間変形)
- 建物の上下階の強度のバランスを調べ。(剛性率)
- 建物の重さと強度が偏っていないかを確認。(偏心率)
通常このルート2まで計算したものが「構造計算」と評価されます。
なぜ木造住宅でも構造計算をすべきなのか?
あなたの住まいが運悪く大地震に遭遇してしまったとします。
建物は全壊は免れ半壊となりましたが、なんとか命を守ることができました。
そこで地震保険だけでこの建物は元通りに修復できるのでしょうか?
半壊だと手にできる保険金は保険契約金額の60%と言われています。この金額ではほぼ修復は不可能です。
大きな地震から命を守る事はとても大事な事です。
しかし家を失うか失わないかでその後の生活に著しい差が出てしまいます。
だから、きちんと構造計算(許容応力度計算)を行い、それに基づき施工された建物で地震等による建物の半壊を免れる事こそがまた以前の暮らしに戻る事ができるの最善の方法なのです。