省令準耐火構造
延焼を防ぐ家、それが住宅金融支援機構が定める、省令準耐火構造。
火事は火の元に気をつけることが第一。
そして万が一出火しても、燃え広がらないつくり、延焼を防ぐ構造にしておくことが大切です。
「消防白書」による、殆どの火災は、火災通報から15分以内に消火活動が開始されています。
つまり、特に内部出火の場合は、初期段階での火勢の広がりを最小限に抑え火勢を封じ込め、消防による消火活動を行えば、鎮火される可能性が高く、被害を最小限にとどめることが可能といえます。
また隣家に火災が発生した場合、炎は執拗に燃え広がり、軒裏に、屋根に、外壁に襲いかかります。
木造住宅の火災の燃焼温度は1200℃に達し、3m離れた隣家が受ける温度は840℃にも達すると言われています。
そして、木材の着火温度は260℃と言われ、それまでの温度に抑えるための対策や隣家との建物の空き寸法を確保することが重要です。
その為に建物全体の部位(外壁・内壁・床・天井・階段・屋根・軒裏・柱・梁)に耐火性能が要求され、延焼のおそれのある開口部には防火戸等の防火設備が要求されているのが、建築基準法で定める準耐火構造です。
そして準耐火構造に準ずる防火性能を持つ構造として、住宅金融支援機構が定める基準に適合する住宅が、省令準耐火構造になります。
- 隣家などから火をもらわない
- 外部からの延焼防止
- 火災が発生しても
一定時間部屋から火を出さない - 各室防火
- 万が一部屋から火が出ても
延焼を遅らせる - 他室への延焼遅延
特徴その1/隣家などから火をもらわない
隣家からのもらい火による火災に備えて、屋根や外壁、軒裏を防火性の高い構造にします。
省令準耐火構造では、屋根を市街地での火災を想定した火の粉による建築物の火災を防止できるよう不燃材料で葺くこととしています。
また、外壁及び軒裏は、建築基準法の防火構造(例:外壁に防火サイディング壁を使用するなど)としています。
特徴その2/火災が発生しても一定時間部屋から火を出さない
火災を最小限に食い止めるためには、発生源とその他の部分とを完全に区切る「防火区画化」が重要となります。
省令準耐火構造では、各室を区画する構造とするため、火が他室に燃え広がりにくくなっています。加えて、室内の内側(壁・天井)には火に強い石膏ボードを使用します。
火が柱などの構造材に燃え移るまでに相当時間がかかることにより、避難や初期消火が可能となります。
特徴その3/万が一部屋から火が出ても延焼を遅らせる
内部で火災が起こった際、壁の内側や天井裏を伝わって火が燃え広がってしまいます。
火が住宅全体に広がりにくくするため、火炎の通り道となる壁や天井内部の要所(壁の内部などの取合部)に木材や断熱材のファイヤーストップ材を設けます。
このように省令準耐火構造の住宅では、「各室防火」・「他室への延焼遅延」により内部火災に強い住宅となっています。